どこへ?

エレファントカシマシCONCERT TOUR 2011 "悪魔のささやき〜そして、心に火を灯す旅〜" 東京ドームシティホール1日目

とうとうツアーファイナル、東京まで来てしまった。長いツアーで、二日目にあたる長野から、中盤の神奈川、そしてust配信での素晴らしいライブだった仙台と見てきて、40代の彼らの持久力と、曲がどんどんよくなっていくことに驚くばかり。

タイトルのとおりアルバムのツアーなので、基本的にはアルバムの曲をメインに。そんなセットのなかで、いつもアルバム以外で光る曲がたくさんあり、この日は『どこへ?』が最初のそれだった。

「俺のせいなの?」「いやいやこういうものだ」
おいオマエもう一回 再生だ
いい古されてしまった言い方で悪いが
おい俺もう一回 帰ろうよ

ここで震えた。こんな表現は褒め言葉ですらないのかもしれないけど、妙に表現力に磨きがかかってると思った。魅せるべきところで魅せる、聞かせるべきところで聞かせる。最近の曲はそういうメリハリのようなものが強いので、こうして過去の曲にもそういう部分が伝播して、なんだか今まで以上にすごい曲になっている。で、曲のあとに宮本が言ったこと、あえて書く。この曲は、『ガストロンジャー』の回答として書いた、そう言った。すでにどこかインタビューとかで言ってるのかな? 少なくともわたしは知らなかったのだけど、何に驚くって、つまり『ガストロンジャー』という曲にはすでに答えが出ていたのだと……。
『ロック屋(五月雨東京)』もすばらしい演奏で。次の『明日への記憶』のアタマで、最前列のお客さんが倒れるという(たぶん)アクシデントで宮本が曲をとめたんだけど、そのあとまた曲に戻るまでを自然に創り上げたのが、涙出るほどすばらしかったなあ。(なんだ大人のバンドじゃん、っていう切なさもなくはないのよ。でもそれでいいのだ)

アンコール、1曲目に『パワーインザワールド』! 珍しい選曲。個人的には久しぶり。「パワーインザワールドツアー」はすっばらしかったなあ。おそらくあんまり売れなかったと思うけど、『扉』というアルバムはわたしにとってとても大事で、あれがなければ今もここまで追いかけてはいないかもしれないくらい。そのリリースツアーのタイトルになったこの曲の破壊力たるや。余談ですが、宮本がめちゃくちゃ歌詞を忘れる曲でもあります。そのまま『クレッシェンド・デミネンド』とまた珍しい曲、そこからは最近のシングル曲を続けて(やっぱり『ハナウタ』いい曲に聞こえるようになってきた)、ダブルアンコールもあって、最後の最後は『花男』。曲の途中から客電がついて、そのまま終了と相成りました。

宮本の声も良く出ていて、演奏もガッチリで、素晴らしい内容のライブ。さて、明日がファイナルです。(実は日をおいてから書いているので、興奮っぽさが薄い)