――編集者は、会いたい人に会える仕事。
学生時代に恩師にそう言われてから、それをよりどころにしているようなところがある。好きだと思った人、興味を持った人にはまず「会いたいなー」と考える。ただ会社で仕事をしている間はその「会いたい」→「会うために何かしてみる」というモチベーションが上がったり下がったり、おもに下がりっぱなしでいて、せいぜい「よりどころ」という程度の感覚でいたんだと思う。

今日、ずっと会いたいと思っていた人に会った。その人に文章を書いてもらいたいと思ったから。そういう気持ちで人に会えるようになっただけでも、今の体勢で仕事できてることがうれしい!

会えた人はものをつくる人で、私はそのひとの作品にひとめぼれをして忘れられなくなったのでありますが、そのひとはやはり作品と同じ空気を持っていて……とか、そういうの、当たり前のことなんですよね。言うまでもないな。でも私が話をしていてときめいたのは、自分のつくるもの(自身の作品ということではなく)、そのジャンルの話については、やはり言葉がすらすらと出てくるのだなあということ。それくらいの物事との向き合い方でないと、魅力は出てこないもんねえ。